草間彌生さんのプロフィール
出典:hameets.com
草間 彌生(くさま やよい)さんは1929年3月22日に長野県松本市で生まれました。
小さい頃から幻覚や幻聴(統合失調症)を患っていたらしく、その苦しみから逃れるために自身が体験した幻覚や幻聴を描く事を始めたそうです。
症状に悩む事よりも、それを絵にする発想自体が生まれ持っての芸術家ですよね。
現在の京都市立銅駝美術工芸高等学校を卒業後しますが、旧態依然とした日本画壇に失望し、実家の松本に帰ってからは独創性あふれる作品を制作します。
25歳の頃に東京で4度の個展を開き、著名な美術評論家・瀧口修造さんらと知り合います。
1957年に活動拠点をアメリカに移し、絵画だけでなく立体作品や「ハプニング」と称された過激なパフォーマンスから「前衛の女王」とも呼ばれていました!
1972年末に芸術活動のパートナーであったジョゼフ・コーネルが亡くなり、その事が原因となって体調を崩し、年が明けた1973年に惜しまれつつ日本へ帰国しました。
水玉の由来とボディペインティング
「ハプニング」と称された過激なパフォーマンスがアメリカで好評でした。
そんな草間さんですが、作品の中にはヌード姿でボディペインティングをした過激な表現もあり、今の草間さんとはまた違った一面を伺う事が出来ます!
この頃から草間さんのトレードマークとも言える「水玉」が有名になってきました。
水玉の由来は「作品を水玉で埋め尽くす事は、幻覚や幻聴から身を守るための儀式」と言われており、考えて生み出されたデザインと言うよりも、一種の防衛本能だったのかも知れません。
小説家としてデビュー
草間さんは体調を崩してアメリカから帰国し、治療のため入院しました。
心境の変化からか、1978年に自身初の小説「マンハッタン自殺未遂常習犯」を発表し、1983年に発表した小説「クリストファー男娼窟」で第10回野性時代新人文学賞を受賞しました!
小説の主題も今までの芸術活動とリンクしており、自身が体験した幻聴・幻覚を題材とした「離人カーテンの囚人 ※クリストファー男娼窟に収載」もあります。
現在の草間彌生さんの活動
出典:シネマカフェ
草間さんは1990年代に入り、画を中心とした創作活動をメインにする活動を再開しました。
1993年にヴェネツィア・ビエンナーレ(現代美術の国際美術展覧会)に日本代表として参加し、再び脚光を浴びた草間さんの再評価が始まりました。
2012年にはルイ・ヴィトンとコラボするなど、商業分野でも活動していました。
樹木希林さんと似てると話題に
ネット上で「草間彌生と樹木希林が似ている!」との声が多数上がっていました。
確かに似ていますが、どちらかと言えば髪型のインパクトですね(笑)
顔だけでなく、きわめて個性的な女性で芸術家肌と才能も似ていますよね。
※樹木希林さんは2018年9月15日に永眠されました。ご冥福をお祈りします。
文化勲章を受章
出典:産経ニュース
2016年に女性画家としては4人目となる「文化勲章」を受賞しました。
文化勲章
科学技術や芸術などの文化の発展や向上にめざましい功績のある者に授与される日本の勲章
11月3日に皇居・宮殿「松の間」で親授式が行われ、多くのメディアで報じられました。
このたびは文化勲章をいただくことになり、大変うれしく思っております。
今後もなお一層、自分の芸術を高める為に努力を惜しむ事なく闘ってまいります。
引用:oricon.co.jp
前衛的で個性的な草間さんの作品が国からも評価されたのは感慨深いですね。
中国での贋作展覧会騒動
出典:fnn.jp
中国での贋作展覧会は今年4月頃から確認されていたそうです。
広州や上海などで開催されており、中国の美術関係者から「偽物が展示されてますが大丈夫ですか?」と問い合わせがあり発覚したそうです。
小野寺良文弁護士は「中国での草間さん人気に便乗した非常に悪質なケース」とした上で、草間さん本人の意向として「贋作がたくさん作られて作品として展示されていることを非常に残念に思っておられて、一刻も早く中止していただきたいと願っておられます」と話していた。
引用:fnn.jp
現在は展覧会の中止も決定し、首謀者が特定できた段階で法的措置を進めるそうです。
草間彌生さんからのメッセージ
2017年2月に自身の集大成と位置付けた個展「わが永遠の魂」が開催され、その中で草間さんは自身の口で世界へのメッセージを発信しました。
混沌とした現代社会への想いや、いままでの自身の創作活動を「闘い」と表現していました。
コメント内の「私はみなさんの永遠のアイドル」発言には驚きましたが、愛される事がアイドルであるならば間違いなく草間さんはアイドル的存在と言えます。
一般の方よりも感性が強い草間さんには少し窮屈な社会になりつつありますが、少しでも穏やかな気持ちで創造活動ができる日が来る事を願うばかりです。
草間彌生
公式HP:草間彌生オフィシャルサイト