森喜朗の現在。総理時代の失言とは？引退後はオリンピック活動とガンとの闘い、そして今は

森喜朗の生い立ちと議員になるまで

出典：文部科学省

森喜朗さんは1937年7月14日に石川県能美郡根上町で生を受けました。

森茂喜さん(根上町長)の長男として生まれ、小中学校時代は「いじめる側の常連」だったらしく職員室によく引っ張られたと後に語っていました。

父親は早稲田大学のラグビー部OBであり、その縁があって森さんも早稲田に入ってラグビーをしたいと願うようになり、金沢二水高校に進学して青春をラグビーに打ち込みました。

早稲田大学「雄弁会」での出会い

父の知人(早稲田大学ラグビー部監督大西鉄之祐さん)からのスポーツ推薦を得て、早稲田大学商学部に進学してラグビー部に所属しました。

ところが、練習は過酷さや生活環境の違いから体調を崩し、ついには吐血し病院で胃潰瘍で半年間ラグビー練習を休むように通告され、選手として終わった事を痛感し退部しました。

同郷の先輩が「雄弁会」に入るように薦め、2回生になると同時に入会し政治家を志します。

同じ頃の雄弁会には青木幹雄(後の官房長官)や小渕恵三(後の総理)が在籍していました。

国会議員としての活動や失言

出典：産経ニュース

1960年に早稲田大学を卒業し、産業経済新聞社に入社し日本工業新聞へ配属されました。

日本工業新聞での担当は自動車や工業機械で、その縁から井関農機の取材中に衆議院議員の今松治郎(岸信介の側近)や井関社長の息子・昌孝と知り合い、結果として今松の秘書へ転身しました。

泡沫候補から初当選へ

1969年の「第32回衆議院議員総選挙」に石川1区から立候補(無所属)しました。

当時の田中角栄(自民党幹事長)は森さんを「泡沫候補」と判断し公認を与えませんでしたが、コネのあった岸信介元首相による応援を得て無事当選しました。

泡沫候補だった自分の応援のために駆けつけてくれた岸には終生感謝しており、岸の外孫である安倍晋三を陰日向に支え、安倍が首相に就任した時は後見人として支えました。

まさかの総理就任と失言語録

出典：朝日新聞デジタル

2000年4月5日、脳梗塞で倒れ入院した小渕首相の後を継ぐ形で内閣総理大臣に就任しました。

就任の経緯は、当時の党有力者（森、青木幹雄、村上正邦、野中広務、亀井静香）が相談し、村上の「あんた(森)がやればいいじゃないか」の一言で就任が決まったと言われています。

基本的な国内政策は小渕政権の引継ぎであり、外交ではロシアのプーチン大統領と柔道など体育関係の繋がりで親交を深めるなどの功績がありました。

しかし、発言が総理としては軽く「失言」が多い事から支持率は低下の一途を辿りました。

2001年2月10日にハワイ沖で練習船「えひめ丸」がアメリカ海軍の原子力潜水艦と衝突して沈没し、日本人9名が死亡する惨事が発生した際に、森総理は第一報が入った後も1時間半の間プレーを続けた事が問題となり、結果として就任から1年で退陣しました。

退陣後は派閥会長として君臨した後に引退

出典：現代ビジネス

総理退任後は自民党・森派の会長として君臨して後任の小泉純一郎や安倍晋三を支えますが、その言動が「古い政治家像」と若手から批判を浴びました。

2011年9月に「東京2020オリンピック・パラリンピック招致委員会評議会議長」に就任し、翌年7月23日に「若い人に後を譲りたい」として次期選挙に出馬せず引退する意思を表明しました。

現在は東京五輪開催やガンとの闘い

出典：日本オリンピック委員会

森さんはスポーツ活動をライフワークとしており、念願でもあった東京オリンピック組織委員会の会長職も無報酬で引き受けていると本人が語っていました。

2018年夏の猛暑を受けた計画や設備の見直しだけでなく、東京オリンピックのボランティアを無償と有償のどちらにするか等が大きな課題となっています。

度重なるガンとの闘い

出典：産経ニュース

森さんは2012年に前立腺ガンを発症し、2015年には肺ガンを発症していました。

抗ガン剤や手術の影響からか頭髪が抜けて立派だった体格も一回り小さくなりました。

しかし、2015年12月に治療薬「オプジーボ」が保険適用となり、投薬効果があったのか徐々に体力を回復させて、現在では以前の様に精力的に活動できるまでになったそうです。

2017年4月には新著「遺書 東京五輪への覚悟」を出版して話題を呼びました！

「遺言」のつもりで書いた手記だけど、2016年2月に新薬を投与したら体調が回復してね。

まだ死なないのに「遺言」はどうかなと思って「遺書」に変えたんです。

遺書なら早い時期に書いて机の中に入れておいてもおかしくないだろ？

引用：産経ニュース

薬の効果もあるでしょうが、やはり「目的」を持った人間の生命力が肝心だと思いました。

様々な課題が山積みですが、元総理としての森さんの政治力・調整力が期待されています！