井上雄彦がスラムダンクを描くまで
20代~40代ならだれもが知っている漫画・スラムダンク。
圧倒的な描写とストーリーで、当時はプロリーグも存在していなかったバスケットボールを漫画で国民的スポーツにしたと言っても過言ではありません。
鹿児島県伊佐市出身の井上雄彦は、熊本大学を中退して漫画家になった異色の経歴を持っています。
(井上雄彦はペンネーム。本名は成合雄彦というらしいです。)
シティーハンターという漫画を描いていた北条司のアシスタントを1年近くやっていて、その後、楓パープルで第35回手塚賞を受賞。
大学を中退して2年も経たずに漫画家としてデビューが決定しました。
当時はバスケットボールを描いた漫画がなくて、井上雄彦は1990年にスラムダンクを連載開始するまで「誰もバスケ漫画を連載するなよぉ」と願っていたそうです。
ちなみに、井上雄彦さん、、、中学校までは剣道部。
バスケットボールは高校からで、中退した熊本大学まで。大会で優秀な成績を収めた記録などはありませんが、バスケに対する情熱はすごくあります。
井上雄彦は現在50歳を超えましたが、そこそこバスケは上手らしいです。
スラムダンクの大ヒット。最終回、その後の井上雄彦
1990年に少年ジャンプで連載がスタートしたスラムダンクですが、始めから大ヒットしました。
初回には多少のギャグ要素と恋愛要素を絡めて、これから高身長で不良の桜木花道が、素人でありながらバスケットに挑戦する描写で読者を一気にひきつけることに成功。
1996年に終わりましたが、主人公の桜木花道が高校1年生のバスケ生活を6年間にわたり描かれた作品となりました。
インターハイに出場し、3回戦で敗戦したのを最後に、その後2年生の宮城リョータがキャプテンになったり続きが気になる形で最終回を迎えたのは話題に話題を呼びました。
最終回のその後、作者の井上雄彦は「続きを書きたい」と言っていました。
公式サイトでも「描きたくなったときに描く」とメッセージを残しています。
井上雄彦の描写は、スラムダンクの開始時と終了時で大きく変化していきました。
最初は漫画風の描き方ではあったのですが、徐々に芸術的な漫画に変化を遂げていきました。
長期連載をする漫画によくありがちなパターンですが、たった6年でありながらスラムダンクほど描写が変わった漫画も珍しいかもしれません。
ただ、スラムダンクが終わってからはブレることなく芸術的な描き方が特徴的。
井上雄彦は漫画家というより天才画家だという人もいるくらいです。
現在の井上雄彦の作品
現在は講談社モーニングで「バガボンド」を、集英社週刊ヤングジャンプで「リアル」という漫画を連載中。
バガボンドは有名漫画ですので割愛しますが、リアルという漫画は車椅子バスケットボールの漫画。不定期に連載されていますが、年に1回のスローなペースで単行本は発行されています。
バガボンドも年間に1冊出るか出ないかですが、すでに40巻ほど刊行されています。
手が空いた時にこの連載中の2つの作品を進めているというのが、現在の井上雄彦のスタイルです。
締め切りに迫られることなく、自由に作品を作れるので二つとも素晴らしい評価を得ています。
ちなみに、スラムダンクで得た収入が非常に大きいらしく、井上雄彦は一生遊んで暮らせるほどの貯蓄があると言われています。
連載に躍起にならなくても、大好きなバスケをしながら自由に暮らせるんですが、やはり連載を持っているあたりプロですね。
現在の井上雄彦の活動
基本的に日本のバスケット、特にBリーグの選手との対談や、バスケ協会との仕事など、いろいろとバスケにかかわる活動をしています。
また、2006年にはスラムダンク奨学金を設立。バスケのプロを目指す18歳以下を対象に、留学を支援している活動はもはや敬意に値しますね。
スラムダンク奨学金はかなり選出されるのが難しく、2017年現在まで10回続いていますが、第5回は該当者なし。通例でも1年に1~2人しか奨学生になれません。
それでも奨学生となった選手のほとんどがプロ選手となっています。
井上雄彦のツイッターでも時期になるとスラムダンク奨学金の募集が告知されていますよ。
と、こんな感じで井上雄彦は雑誌などの対談とか、イラスト描いたりとか、バスケット関係の活動とか、そういう活動をしてから空いた時間にリアルやバガボンドなどの連載を描いているというスタイルです。
2017年現在で、井上雄彦も50歳になります。
まだまだ若いですが、元気なうちにスラムダンクの長期続編を期待しましょう!