第5位 ニボルマブ「オプジーボ」 (日本・平成4年)
出典:産経ニュース
第5位は1992年(平成4年)に本庶佑博士の研究チームが商品開発に貢献した「オプジーボ」です。
本庶佑 (ほんじょ たすく) さんのチームが発見した分子「PD-1」をベースとして小野薬品工業との共同研究が進められ、2014年9月に「オプジーボ」の名前で発売されました。
この功績によって本庶佑さんは2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
この「オプジーボ」の最大の特徴は“人間の持つ治癒力を高める”目的であり、従来の抗ガン剤に比べて副作用が少なく、様々なガンに対して効果が期待できる点です。
しかし、最大のネックは価格が高く誰しもが使用できる薬ではないと言う点です。
薬価は次第に安くなっていますが、経済状況に関わらず使用できる日が来る事を期待します。
第4位 人工多能性幹細胞「iPS細胞」 (日本・平成18年)
出典:毎日新聞
第4位は2006年(平成18年)に山中伸弥博士の研究チームが生み出した「人工多能性幹細胞」です。
英語名の頭文字をとって「iPS細胞」と命名されましたが、最初の文字が小文字なのは「iPod」のように世間に広く普及して欲しい思いから山中伸弥さんが命名しました。
この功績によって山中伸弥さんは2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました!
簡単に表現すれば「iPS細胞=再生細胞」であり、今までの”他人から移植”ではなく自分の皮膚などから「再生細胞」を作り出し、それを成長させて移植する事も夢では無いそうです。
しかし、万能と思えるiPS細胞も遺伝子異常などの健康面の課題だけでなく、再生技術を活用する事で「クローン人間」を可能にしてしまう”倫理的課題”を抱えています。
また、非常にコストが掛かるので現時点では実用化のメドは立っていません。
第3位 人工知能「AI」 (イギリス・平成18年)
第3位は最近メディアなどで頻繁に取り上げられ、一部では実用化もされている「人工知能」です。
理論の発明は今から350年以上前ですが、ここでは実際に「人工知能」が実用可能なレベルとなり、生活に浸透し始めた2006年(ジェフリー・ヒントン博士の研究)をベースにします。
2011年(平成23年)にアメリカで「質問応答システム・ワトソン」が登場し、人間とのクイズ大会で「ワトソン」が総合で勝利した事が大きな話題となりました。
その後も進化を繰り返した「ワトソン」などのAIは社会システムに定着しており、コールセンター業務や株式・通貨の高速取引に人工知能が利用されて成果を上げています。
また、2016年8月に「ワトソン」が正確な診断によって白血病の病名を10分で見抜き、その患者に対して適切な治療法を提案する事によって命を救ったと報道されました。
しかし、人工知能は多くの人間の職を奪う可能性が高いとも指摘されているので、実際に導入するとしても社会構造の改革や労働者の環境整備などが欠かせないと思います。
第2位 DVD (多国籍企業・平成8年)
第2位はビデオテープに代わる記録ソフトとして1996年(平成8年)9月に完成した「DVD」です。
アメリカ・ハリウッドの映画業界などからの強い要望により誕生した経緯があり、ビデオテープやレーザーディスクの後継ソフトとして今では各家庭に1枚はあるほど普及しています。
ビデオテープと比較して劣化しにくく高画質で大容量がセールスポイントであり、アニメや映画・音楽ソフトに留まらず、ちょっと大人の作品もDVD普及に貢献しています(笑)
また、映像作品だけでなく進化を続けるゲームソフトの記録媒体にもなっています。
現在は更に改良が進められ、後継バージョンとして「Blu-ray Disc」が発売されていますが、基本的に従来のDVDプレーヤーでも再生が可能なので混乱は少なかった印象です。
第1位 スマートフォン (アップル・平成19年)
第1位は2007年(平成19年)に登場した手のひらサイズのノートPCと言える「スマートフォン」です。
それまでの携帯電話はメールや簡単なウェブ接続が中心でしたが、2007年(平成19年)にアップル社が発売した「iPhone」は今までの想像を超える性能で世間に衝撃を与えました。
過去の“ネット接続もできる携帯電話”から”電話もできる携帯型PC”に大きく変化しました。
発売後は爆発的に利用者が増え続けており、世の中全体が「スマートフォン」の存在を前提としたシステムの構築や企業・行政によるサービスの提供が進んでいます。
特に災害が多い日本では情報ツールとしての役割が大きくなり、近年の災害では水・食料に続いて「充電器」が挙げられるほど重要なライフラインになっていました。
今の時代「スマートフォン」は便利なアイテムを通り越し、生活だけでなくネットを介した人間関係の発展や構築など精神面や文化面でも必須と言える存在にまで成長しました。
しかし、普及によって生まれる犯罪やトラブルは後を絶たないので、小さな頃からネットに関する教育「ネットリテラシー」の充実や啓発が今後欠かせないと改めて思いました。
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