平成に起こった「世界の災害」ランキング TOP10

第5位 四川大地震 (中国・平成20年)

出典:レコード・チャイナ

第5位は2008年(平成20年)5月12日に中華人民共和国の四川省で発生した「四川大地震」です。

この地域は地震が頻発していた地域でしたが、今回の地震はマグニチュード8(中国地震局)という桁外れのパワーであり、中国のみならずベトナムや台湾でも揺れを感じました。

死者・行方不明者は約88,000名に上り、被害額は8451億元 (約13兆3000億円)を超えました。

日本の救助隊、四川省で活動開始

甚大な災害にもかかわらず中国政府は海外からの救助隊の派遣を拒んでいましたが、生存率が極端に低下する災害発生から72時間を過ぎてから受け入れを開始しました。

日本の救助隊の献身的な活動は中国国民の感動を呼び、日本大使館に感謝の声が寄せられました。

この行為は2011年に発生した「東日本大震災」への中国からの救援・支援として返ってきました。

 

第4位 ピナトゥボ山噴火 (フィリピン・平成3年)

出典:朝日新聞デジタル

第4位は1991年(平成3年)6月3日から8月まで続いたフィリピンの火山「ピナトゥボ山噴火」です。

この噴火は「20世紀における最大規模の大噴火」と表現されていますが、直接的な人的被害は死者847名・行方不明者23名と災害の規模に比べて最小限で収まっていました。

これは噴火の予兆を事前に把握しており、適切な避難計画が実施された事が大きな要因でした。

しかしながら、広範囲への降灰や火砕流などで住宅やインフラ施設、農作物への被害は甚大で金額に直すと数十億ペソ~100億ペソに上ると言われています (1ペソ=2.1円)

また、火山灰が成層圏にまで達して世界中の日射量を長期間にわたって減少させ、オゾン層にも大きなダメージを与えるなど気象面での影響が非常に大きかった災害だと言えます。

 

第3位 新型インフルエンザ (世界各地・平成21年)

出典:時事通信

第3位は2009年(平成21年)春から翌年3月まで続いた被害を出した「新型インフルエンザ」です。

発生源は豚の間で流行していた”豚インフルエンザウイルス”と言われており、最初に発生が確認されたアメリカやメキシコを中心に世界中で14,286人の犠牲者を記録しました。

日本でも検疫などの対策をとりましたが、国内での感染者の累計が1000万人を超える事態となり、亡くなった方は新型インフルエンザへの感染の疑いを含めて68名でした。

新型インフルエンザの患者数が1000万人突破(09/11/28)

基本的には自然発生のインフルエンザウイルスが原因となっていますが、最近では突然変異でワクチンが無い新型ウイルスが毎年の様に発生して多数の人命が失われています。

現在も全世界では毎年約500万人前後が感染し、25万から50万人の死者を出し続けています。

気象だけでなく世界中の場所を問わないウイルスの感染・流行もある種の災害であると言えます。

 

第2位 スマトラ島沖地震 (インドネシア・平成16年)

出典:Yahoo!ニュース

第2位は2004年(平成16年)12月26日にインドネシア西部で発生した「スマトラ島沖地震」です。

この地域は地震活動が活発なことで知られており、今回発生したスマトラ島沖地震はマグニチュード9.1と強烈で、東日本大震災を引き起こした地震の約1.4倍に相当するエネルギーです。

死者・行方不明者は住民や観光客を含め227,898人に上り、被害総額は約9億7700万ドルでした。

タイ・ピピ島の大津波- 2004/12/26

地震の被害に加えて震源が海底だったことで巨大津波が発生して被害を拡大させました。

今回の巨大津波はインドネシアの対岸となる東アフリカまで津波が到達し、津波予知や警報システムが無かった事からソマリアでの犠牲者は200人を超えると言われています。

2004年の地震以降、2016年までにマグニチュード7以上の地震が9回も発生しています。

 

第1位 東日本大震災 (日本・平成23年)

出典:日本経済新聞

第1位は2011年(平成23年)3月11日に東北地方太平洋沖地震を中心とした「東日本大震災」です。

マグニチュード9は日本最大の地震であり、最大震度7を記録する未曽有の大震災になりました。

人的被害は2019年3月現在で直接の犠牲者15,895名に加えて災害関連死も3,647名に上り、行方不明者は2500名を越えていて現在も懸命な捜索を続けています。

 

【津波の映像が流れるのでご注意ください】

【東日本大震災】各地の津波発生時の映像 Japan hits Tsunami 20110313

内閣府によると直接の経済的損失は約16兆9000億円と算定しており、その他の原子力災害や計画停電による損失や、流通網の混乱による生産低下は含まれていません。

世界中から救援の手が差し伸べられ、良好な関係と言えない中国からも「四川大地震のお返しの番だ」との声が上がり、北朝鮮からも赤十字を通じて義援金が届いていました。

また、災害に付き物の暴動や略奪はほとんど確認されておらず、未曽有の災害下においても秩序だった行動が諸外国から賛辞を受け、眼に見えない国民性も注目されるようになりました。